僕にとって、ニューエイジ・サウンドっていうのは
車が空を飛んでいるような22世紀の世界で鳴る音のこと。

そしてコード感を持たず、ひたすら奇妙なスケールのフレーズが飛び交い
混ざり合うことで22世紀的な近未来感を演出していく音楽が
僕にとってのニューエイジ・ミュージックだ。

James Ferarroの“Far Side Virtual”のアートワークに描かれている
スマートデバイスの中の世界なんかは、見事にそんな音をビジュアル化している。

僕がこうした音にハマったきっかけは、Hudson Mohawkeのデビューアルバム。
ベースミュージックにニューエイジ・サウンドとラップを持ち込んだ
ハイブリッドなスタイルは、お見事としか言いようがなかった。
WARPの現在のところ最後のゴールデンエイジのことだ。

その後、James FerarroやFord & Lopatinなどの音にハマってきたわけだけど
このDutch Unclesの新作には本当に驚かされた。

Hudson Mohawkeは、コードに縛られないラップとビートをミックスした
あまりコード感のないトラックに、ニューエイジ・サウンドを持ち込んだけど
彼らはマス・ロックという手法を使って、非常に巧みに、そして緻密に
コード満載の歌モノロック・ミュージックにニューエイジ・サウンドを持ち込んだ。
これは驚異的な音楽リテラシーだと思う。

そしてなにより特筆すべきは、これが見事にポップソングのフォーマットに
落とし込まれていること。メロディはフックに溢れていて、曲の尺はほとんど3〜4分台。
のんべんだらりとした歌を乗せながら、1曲を8〜10分くらい演奏する
日本の空間系プログレ・ギターロックバンドなんかとは大違いだ。

おまけにパフォーマンスは完全に人力。
下に貼ったセッション映像をぜひ観て欲しいのだけど
ヴォーカリストは難解な鍵盤のフレーズを右手で弾きながら
左手にマイクを持って歌っている。
いやはや本当に恐るべき音楽リテラシー。

この『マス・プログレッシブ・エレクトロニック・ニューエイジ・ロック』を
ぜひ聴き逃さないで欲しい。圧巻の一枚。

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